子無し共働き主婦の根暗な日常

根暗で後ろ向き。駄目人間の愚痴と日記。

よもぎ摘み

母の住むマンションから車で5分ほど行くと風車の立つ海辺の丘がある。
海からの風が心地よいのんびりした場所だ。
今日は母と再婚相手、そして2人が溺愛している犬を連れて散歩をしにきた。

少し風が強いが日差しが暖かくて気持ち良い。

少し奥まった所に母が山菜や野草を摘みにくる場所がある。
きっとこの季節はヨモギの若芽が出ているだろうから摘んでいこうとなった。

嬉しい事に沢山生えていて、幸いにもまだ虫はついていない。もう少し後になるとアブラムシがつき始めるのだ。
今夜はヨモギの天ぷらと白玉団子を作ろう。楽しみだ。こういうワクワクした気持ちは久しぶりだな。


私は18歳で進学のため地元を離れ都会に出た。
卒業後に一度地元に戻ったが、すぐにまた都会に出た。やはり都会の方が就職口も多く、お給料も良いのだ。そして何より実家から離れた場所で生きて行きたかった。
地元を離れた事に一切の後悔はないけれど。この穏やかな海と自然のある環境を懐かしく思う時はある。

賑やかできらびやかな場所が苦手な私は、都会での生活に息苦しさを感じることが多い。
びっしり人が住む街で、少しばかりの公園があるだけで、どこに行っても人だらけで、道も川も海も全てはコンクリートで固められていて。
いつかは都会の喧騒を離れて静かでゆっくりした場所で暮らしたいと思っている。
空が広くて、散歩がてらに山菜を摘んだり草木をめでたりできるような。
川の底をのぞいて小魚を探したり、夕方には何処からか野焼きの匂いがしてくるような、そんな所で生活したいと夢見ている。
そうしたら今みたいな仕事以外は雨戸を締め切った部屋で引きこもりの生活も変わるのかな。
それとも…居る場所が変わっても自分自身が変わるわけじゃないから、結局私は私のままなのかな。